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Note 5 アマチュアアニメ制作に関するコーナー。 ( knowhow ) [ RESPONCE: 8 of 72 ] Title: 3dCG作成の話:3dcg Subject: モデリングの話 Bytes: 5492 Date: 1993/07/11 00:26:46 Author: AAA00093(新明解 ) 今回はモデリングの話です。 今回はどうしても、一般論では書けそうにありません。私の持っているソフト、 Amiga用のImagine2.0(IBM-PC用もある)での話が多くなります。 なにせ、モデリングの手法はソフトごとにまちまちなのです。 実はこの事は重大な意味を持っています。つまり、3Dアニメを作ろうとしている 人がどのようなソフトに使うかで、その結果得られる作品にも大きく差がでて しまうからです。極論を言えばソフトが絵の傾向を決めてしまうのです。 中にはいろいろなソフトをさまよいながら、自分に合ったソフトを見つけだす人も いますし、運悪く挫折してしまう人もいます。(マニュアルや操作方法がわからな くて挫折する人も多いけど・・) 私のように初めて出会った3Dアニメソフト一筋で作品を作っているような人は 意外とまれかもしれません。 また、何種類ものソフトを使い分ける人もいます。 モデラー部分で、あるソフトはぐにゃぐにゃしたものが得意とか、またあるソフトは 緻密なモデリングが得意とか個性があるので、場合に応じて使いわけるわけです。 作ったオブジェクトデータはコンバートできるので(少なくともAmigaにはそういう ソフトがある)あるソフトで作ったオブジェクトを他のソフトでレンダリングする といったことも可能ですし、プロの世界では結構、日常的に行われているようです。 ということで、前置きがお約束のように長くなりました。 実際にどうオブジェクトを作るかの様々な方法論を説明していきます。 (1)何もないところから1つ1つ点、辺、面を作っていく。 この方法はかなり大変ですが、初心者はいきなりこの方法に挑戦してしまう場合が 多いようです。余程わけのわからない形をした物体でも、このような 事をするのは避けるべきです。莫大な時間がかかるからです。 しかし、どうしてもこの方法をとらなくてはならない場合もあるでしょう。 例えば、ある実在する物体(特に人間の顔など)に忠実にオブジェクトを作り たいときです。 確かに多くのアーティストは模倣という道をたどって、自分の作品を作り出して いると思います。しかし、3Dオブジェクト制作で、緻密な物体を模倣する という作業を始めると挫折する可能性大です。初心者ならまず簡単なものを作って みるところから始めるべきだと思います。 (2)組み合わせる 3DのCG作成ツールには球とか特定の形(プリミティブ)しか使えないものも あるようです。これらのツールは逆に論理演算オブジェクトを扱うことができ ることが多いようです。特定の物体からある形を切り抜くとかができます。 ANDとかORとかを利用するわけです。 (Imagineは論理演算機能をサポートしません) ところで、このようなソフトで複雑な図形を作るのは大変です。 どうするかといえば、ひたすら組み合わせるのです。 例えば、たくさんの球体をひっつけて人間の体をつくるとか・・。 もちろん、一般のポリゴンを扱える3Dレンダラーでも同じ事が言えます。 例えば、人間の顔を作るのに、耳とか鼻とか目とかは別部品にして、組み合わせて 作った方が楽です。 モデリングに慣れないうちは少々リアルさを犠牲にしても球とか円錐とか円柱とか を組み合わせてオブジェクトを作って、アニメにしてしまうのが早道です。 実際、モデリングのところで、あまりの大変さに挫折する場合も多いと聞きます。 (3)引っ張る、曲げる、伸ばす もう少しリアルな図形を作りたいと思ったら、ある単純な物体から加工していくのが いいと思います。私が顔のオブジェクトを作る場合、球体からあごの部分を引っ張っ たり、目の部分をへこませてたりして作ります。写実的なものにはならないにせよ 単純な球体等の組み合わせよりはリアルになります。 ところで私がオブジェクトの各頂点単位の加工をする場合、細かく1点ずつ引っ 張っていくと収拾がつかなくなる場合が多いので、複数の点をまとめて選択して 回すとか動かすとか拡大するとかの加工をすることが多いです。 この方法を覚えると、球体や平面から意外と複雑な形も作れます。 またオブジェクト全体を曲げるとかねじるとかが簡単にできる3Dソフトもあり ます。これを使えば、ぐにゃりとした物体の表現も可能ですね。(昔、日産のNX クーペのCMで車がぐにゃりと曲がったり、ねじったりするのがありましたね) (4)MOLD機能を使う ワイングラスなどの回転体を作る場合はMOLD機能を使います。つまり断面を 作って360度回して作るわけです。また立体文字を作る場合も断面だけ作って、 奥行きはパソコンに自動的に作ってもらうとか、チュープ状の物体を作るとき、 中心の部分を曲線として作って膨らますとか、いろいろな方法があります。 (5)2Dイメージから作る 文字なんかの場合、それ自体を3Dモデラで作るのは結構面倒です。そこで、 通常のペイントツールで輪郭を描いて、これを3Dオブジェクトにコンバート すると簡単です。また複雑な外形をもつ物体もペイントツールで作った方が 楽な場合も多いと思います。 (6)その他 まだまだアイディアはあると思います。計算でオブジェクトを作るのも手でしょう。 (これは描く自分が使っているソフトのオブジェクトデータ構造がわからないと 困りますが) とにかくあるオブジェクトを作るときに、どんな方法がいいか色々考えてみると いいと思います。工夫しだいでは、数時間もかかっていたオブジェクト制作が 数分でできるようになる場合もあります。 また最近3Dソフトの進化もめざましく、スプライン曲面の扱えるツールとか メタボール(これは海外のソフトには少ないと思う)という手法でオブジェクト を作るものとかいろいろ出てきました。特にスプライン曲面利用は有望ですね。 とにかくモデリングは制作者の個性が如実に現れる部分です。できるなら、 色々な人の作ったオブジェクトを見せてもらうと非常に勉強になります。 その際、どうやって作ったか教えてもらうといいですね。 3Dソフトに付いているオブジェクトなど見ていると精巧すぎてどうやって 作っているのか想像できないものが多いので、どうやって作ったか教えて もらいたいものです(笑)。 というわけで、今回も私の知識不足もあり、稚拙な文章になってしまいました。 ごめんなさい。次回はどうしようかな。カメラとか照明の話かな。でも このあたりはまだ私自身、色々試している段階なんですが・・・(笑)。                         新明解