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Note 14 アマチュアアニメ制作に関するコーナー。 ( knowhow ) [ RESPONCE: 1 of 7 ] Title: デジタル時代の撮影技術 Subject: いまどきの撮影機材 Bytes: 5159 Date: 1998/06/29 05:25:04 Author: INETGATE(Kei ) Author's name: Kei (send Mail) (goto HomePage) ---- WASH Ver.-0.0.0 ---- さてさて、#14「安価な撮影」からの続きです。 >  PC(ディスプレイ)+スキャナ+ビデオカード+スキャンコン > バータ+ビデオデッキ=計10万程度でそれなりのことができるシ > ステムが組あがるというような・・  それなり、というのがどのようなレベルなのかによりますが、正直いってそう甘くはな いようです。ケースをいくつか想定して解説しましょう。 1:線画さえ見えればいいや、というレベル  東京工業大学では、MSXにビデオ入力を装備して動撮に応用しているそうです。前回はそ れでパフォーマンスをやってみせてくれましたが、すごいですよねー。(本格的作品には ハイエンドのAT互換機を使ってますが)  当会でも、9801(286以上)とスキャナの組み合わせで動撮を行っていました。こちらは複 数層セルの組み合わせも可能です。私はこれで作った動画をスキャンコンバータに出力し 「Project-Four Preview」ってのを出品したことがあります。  確かにアニメはできますが、線画、それもジャギーだらけになるのは避けられません。 2:カラー作品を作ってみたいよね、というレベル  X68とかTownsとか、前Windows時代のAV仕様コンピュータを導入すれば、まずまずのレ ベルでカラーのアニメが作れるようです。千葉大「RNA Project」や中大「FinalProject 」後期シリーズで実用例があります。  私はいじったことがないので、このシステムの製作効率についてはよくわかりません。  上記はコンピュータの動画再生能力に頼るパターンですが、コマ撮り可能なビデオデッ キに接続させる、または8ミリ映画カメラで画面を撮る、というタイプの作例もこれまで数 例存在しています。電通大はX68K/8ミリでの撮影がお家芸だったようですね。 3:カラー作品を作ってみたいよね、というレベル(タイプB)  Windows95が動作するコンピュータにスキャナ、またはPowerWindow等の簡易ビデオキャ プチャ機能付きVGAカードを装備させます。私も一時期この構成にしていました。  これで家庭内の実験レベルの作品またはCD-ROMコンテンツ等なら作成が可能ですが、ス キャンコンバータとVTRの併用による出品用作品となると、VGAカードとハードディスクと CPUに結構な能力が要求されるため思ったほど安くはならず、そのうえ最後まで秒30コマの パフォーマンスを達成できませんでした。 (当時のスペックはP5-166/48M/Trio64V+)  現在のエントリモデル級なら可能かもしれませんが、安定した再生のためには(4)のほう が実用的かと思われます。 4:発表用作品を作ってみたいよね、というレベル(基礎)  Windows95互換機にビデオキャプチャカードを装備させ、320*240*30fpsの高品位な画像 再生を狙います。東京工業大学が現在この構成だったと思います。  ビデオキャプチャカードがいきなり7万円以上かかってしまうのが最大の難点ですが、再 生の安定度と美しさは、スキャンコンバータの「画面写真」然とした画像とは一線を画す る物です。  CPUとVGA能力は(3)より低くても大丈夫ですが、ディスク能力はかなり必要です。できれ ばSCSIの装備がほしいところです。 5:発表用作品を作ってみたいよね、というレベル(標準)  上記の構成を拡張し、640*480*30fpsのより精細な画像再生を狙います。当会の「東京 の空の下」はこの構成です。  640*480サイズになるとディスクの転送レートが大変なものになり、SCSIとかなり高速 なハードディスクの装備が必須になります。最近のIDEも高速ですが、画像再生ではPCIバ ス等に大変な負荷がかかるため、単純な読み出し速度だけでこの問題を語ることはできま せん。  ディスク容量はかなり食います。だいたい1分あたり100MB消費するので、5分の作品なら 材料に600M、中間加工に100M、完成品に500M必要になる計算です。サークルの場合、複数 の作品が同時進行したりするのでさらに用意が必要でしょう。また適当なバックアップの メディアも必要です。 6:もっと長い作品、そして安定性を求めて(上級)  さらに長時間の作品に耐えるシステムを狙います。先日の「Feather2」の構成です。  Windows95では、VideoForWindowsのファイルサイズに1GBという制約があり、ちょっと 画質を上げた「Feather2」は9分半に対して1.1GBになったためWindowsNTに移行すること になりました。(こちらは2GBまで)  さらに長時間再生時の問題として、HD末尾における速度低下、またサーマルキャリブレ ーション(数分毎にヘッド位置を初期化する現象)があります。サーマルキャリブレーショ ンについては「AVタイプ」といわれる高級型ハードディスクで回避できますが、とても学 生には手が出ないので、これらの問題をまとめて「RAID 0」の導入により解決します。  RAID 0(またはストライピング)は、複数のハードディスクを単一ドライブとして扱い、 高速読み書きの負荷を分散させる高速化・安定化の技術で、これによりHDのバッファも増 えるため安定度が大きく向上します。  高速ディスクを何台も装備すると、ケースが加熱したり、ケース電源の不足による貧血 が生じたりするため、ファンを増設したり、フルタワーケースを導入したりして対処しま す。特に7000回転級のハードディスクの熱は本当にすごいです。 7:そして商業へ  あれこれ書いても所詮は学生のままごとに過ぎません。  商売に使えるレベルには、PVR(Perception Video Recorder・・・でしたっけ?)等の1 枚ウン十万円のハードウェアとAVハードディスク等の装備が必要になります。この世界に ついてはベースノート#9で語られていますね。 (あっ・・・もしかしてベースノートを新設したのは間違いだった??どうしよう。) 8:さらに未来へ  DVによる動画の入出力が現実的になってきました。まあキャプチャカードが交換される だけであまり変わらないといえば変わらないのですが・・・。  続いて、デジタル撮影導入後の研連における撮影の変化について述べてみたいと 思います。 Kei(AAA00135)