Basenote Title Index             Browse Mode

Responce Title Index             Last Responce

Previous Responce    <-    ->    Next Responce


Note 9 アマチュアアニメサークル情報。 ( circle ) [ RESPONCE:1245 of1366 ] Title: 横浜動画倶楽部ルナ:yokohama;luna Subject: ときめ紀 ゑヴァンゲリオン  Bytes: 10267 Date: 1997/09/14 12:23:33 Author: INETGATE(碇 アンドウ ) Author's name: 碇 アンドウ (send Mail) ---- WASH Ver.-0.0.5 ---- 碇 アンドウ@食べられちゃいました。 日曜の夕暮れ。くたびれた紺のスーツに身を固めた一人の男がJR有楽町駅に降り立った。街の華やかさと反比例して空は次第に暗闇に包まれようとしていた。  改札を出た男は服装とは不釣り合いなほど多くの荷物を抱えていた。ほどなく男は目当てのコインロッカーに近づき、空いたロッカーの中に多すぎる荷物をジグゾパズルの様に試行錯誤しながら押し込んでいった。やっとの事で荷物を押し込め、荷物の状況とコインロッカーの番号を確認すると、おもむろにコインを投下しキーを引き抜いた。  下には早朝に降った雨による水たまりがこの暑さで異様な色に変色し悪臭を放っていた。男はその悪臭に顔を背けつつも、そのロッカーからしばらく目を離さず眺めていた。そしてその男は突然きびすを返すと銀座のメインストリートへ向けて早足に歩き出した。  男の表情には焦燥感とともにわずかな疲労と緊張した表情を浮かべていた。 しばらくすると男の体全体に夏特有のへばりつくような汗の膜が覆い始めた。 走るまでにはいかないが明らかに周りの歩行者とは全く違うペースで歩くその男は、しきりに腕時計を目の前にかざした。  この日隅田川で毎年恒例の花火大会があるため、銀座は浴衣を着た若い女性が溢れていた。男はわざと無関心のそぶりをしながら、その女性たちの脇をすり抜けていった。  しばらくすると歌舞伎座の建物が見えてくると、その男の前方に異形の集団が目に飛び込んできた。男の目は先ほどまで暑さの不快感と疲労感にに満ちていたが、明らかな侮蔑のまなざしをその異形の集団に投げかけた。現代において分野別特殊知識集団または社会不適応集団として認知されている彼らは先ほどの浴衣の集団とは全く不釣り合いで不快な風貌を自己主張していた。その集団と出会うことはあらかじめ予想していたし、彼らがどこからやってきたかもその男は知っていた。ただその男が知らなかったのはその男の彼らに対する侮蔑の感情がその男の中にある近親憎悪からきていることを。  男は舌打ちして、その異形の集団を避けるようにすれ違った。程なく男の決して視力の良くない目に地味な目的の劇場が入ってきた。目の前の信号がまるで男を焦らすかのごとく赤に変わる。男はここまで来るのに数度目の舌打ちした後、足を止めた。おもむろにネクタイをゆるめ、Yシャツのボタンを外して体を冷やしにかかった。  青に変わり男の歩調も落ち着いたものとなった。男はいつもの習慣で券売所によらずに、劇場の入り口に向かいそこから中の様子を眺めた。男は映画を見る際には必ず入場手順と客の入りを確認する習慣があった。男は納得した表情で券売所に向かった。  すでに券売所には男の前に友人連れの明らかにティーンエイジの女性の先客がいた。なにやら券売の係りとやり合ってるらしく男の番に回って来ない。男は思わず悪態をつきながら、冷ややかな視線を彼女らに投げかけた。やっとのことで男の番に回ってくると、エヴァ1枚とぶっきらぼうに言い、いとおしげに財布から小二枚を抜き取ると窓口に差し出した。窓口から出てきた紙は先ほど出した紙とは不釣り合いなほど貧弱で同等の価値があるものとは思えなかった。とはいえ男はそれを大事に手の中に握り込みながら、劇場の中に入っていった。  劇場の中は当然冷房が利いており、彼のゆるんだYシャツの隙間から冷気が流れ込んできた。そして物理の法則に従って男の皮膚の上の汗は次第に微量の塩分と老廃物そして水蒸気に分離されていった。  男は先ほどの件をもぎりに差し出すと、帰ってきた半券をポッケットに放り込み、パンフ売場に向かった。男はパンフが1種類しかないことを確認すると、なけなしの小一枚を差し出し目的のものを手に取り薄暗い劇場の中に入っていった。  さすがに日曜の最終だけあって客は座席数の7分の1程度であった。男はいったん会場の前に進み出ると後ろを振り返り、自分が座るべき座席を目で物色し始めた。そして彼はスクリーンを頻繁に振り返りながら角度及び距離を目測し、歩いて最適な座席を見て回った。ようやく適当な座席を見つけるとどっかりと駅からここまで歩いた分、重くなった体を座席に預けた。  会場は気怠いカントリミュージックが流れていた。しかしその音楽の脳天気なメロディーとは対照的に座ってから上映が始まる8分間の間に重大な決断を迫られていた。男は買ったパンフを今見るかどうかを。。。。。    と言うわけでEVAの感想です。                   今回の映画を一言で言えば、「自分の脳がLCL化する映画。」といえるだろう。(笑)川北氏と同様、ともかくそれなりの結論が見られて大満足ではないが、一定の評価は与えてもいいだろう。少なくともTV版のラストの二の舞は避けられた。 とは言ってもTV版を見ているからこのような好意的な評価ができるわけで、TV版を見ていない人(そんなやつはいないと思うが。)には大いに不満だったろう。当初某病院のNEC作業室にあった某少年向けマンガ雑誌に庵野監督が「ラストはTVと同じです。」ということを書いてあったから、ある種の覚悟はできていたが、いい意味で外してくれた。  前半は春との違うシーンを探すことに集中していたが、(あのシーンにモザイクが掛かることを期待していたが(笑))とくに追加はあっても、書き直しはなかった様だ。それにしてもEVA量産機(ウルトラマンに出てきたテレスドンという怪獣を白くしたやつ。話によるとエレキングがモデルらしい。)は最初の登場はなかなかだったが、いざ戦闘シーンになると2号機にボロクソにやられまくって、あまりの弱さに笑いそうになったぞ。とはいうもののさすがEVA。いわゆるTV第一話の伏線「自己修復機能がなければ兵器とはい えん。うんぬん。。。。」の設定を生かすため ものだったとは。まもなく生き返る量産機。結局角川映画時代劇お約束「槍の串刺しヤマアラシ状態」で2号機没。それにしてもさすが人造人間とはいえ、しっかりとした内臓があるとはね。腸はなんの役目があるのか?S2機関やゲンドウを消化するためか?ちょっとえぐいぞ。(笑)  相変わらずマヤさんのつわりはひどいし。(笑)なんか前半の25話はほとんどスプラッター映画してたなぁ。(綾波のバラバラ死体!!!) アスカは典型的な重症の躁鬱症でしたね。躁状態のアスカはかっこよかったが、鬱状態のアスカはなんかやばいぞ!!!なんか顔が鬼神に迫っているというか何かとりつかれてる(憑依)と言うか、ある意味で「もののけ姫」ならぬ「物の怪姫」状態。シンジは相変わらずだし。ミサトは死んじゃうし。でも量産機と2号機のチャンバラは良かったよ。あれほどの先端技術で作られたEVAシリーズがチャンバラで戦うとはなんか笑えます。  26話は「シンちゃんのドラッグ&トランス」の世界でした。SF考証に凝った作品が急にファンタジー系の作品になってしまいました。シンちゃんの声優さんは大変でしたね。25話は泣いてばかり。26話はほとんど絶叫しっぱなし。  それにしても綾波の妖怪変化は凄かった。裸は良かった(?)が腕が突然ちぎれちゃってなえちゃったぞ。(何が??? ゲンドウ!!!!へんなとこ触るな!)でも結構好みだったリツコさんが射殺されるのはかわいうだった。( TV版でも暗示はあったけどね。作品中唯一母親に裏切られた人だった。しかしなぜ裏切られたかは一つの論争になりそうだが。)この辺から16年前にやった某TVアニメ劇場版のラストに似始めることに気づき出す。 妖怪大入道と化す綾波とカヲル。カヲルとの対面に恍惚状態のシンジ。(なんかやばいぞ。こいつらマジでホモか!!) 突然月からロンギヌスの槍が飛んできたり、量産機の持っていた両刃の剣が槍になったり、初号機に邪悪なオーラが出たり、十字架になったり、カバラの図が現れて重なりその図が光ったり(陳腐な見せ方)なんか25話までのEVAの視覚演出とはまるで違うシーンが続出。そして人類補間計画の発動!! つまり人類LCL化計画。A.T. Fって、自分を形作る上で誰でも持っているもの。なるほどね。気圧に対する人体の内部圧力みたいなものかぁ。(でもたぶん宇宙空間のような真空空間に行ったら水槽の中の綾波みたいになっちゃうような気がするが。(笑)) 生き残ったNERFのメンツも解け出す。(でもたった4人)それにしても妖怪綾波にとりつかれて取り乱す青葉氏には笑った。(ほんとこのシーンとてもEVAとは思えない。) なんかますます「発動編」に似てくる。  NERFの地下基地が巨大な球体の中にあることを放映当初から指摘したエロ漫画家多田氏。あんたは偉い。さすが神秘主義研究家。              話は変わるがゲンドウの発言から推測するとレイ名前の意味は「麗(人偏がついたやつ)」と「澪」の両方の意味がそれぞれあったのですね。     幼少のシンジ(砂場)のシーンの後ろにTV版最終回の舞台になったステージらしきものが見える。まさか次のシーンでそこの舞台へ移って「おめでとう」 をやる気か!!と焦ったが杞憂に終わる。(TV版最終回を見た観客にとって劇場版で「おめでとう」をやることはセカンドインパクトに匹敵する。) とはいえかなり「はずかしー」シーンがつづく。たぶん少なくともTVでやるときは、よく学校の長期休みになると特番でやる朝とか夕方にある「春休みこどもアニメ劇場」とか「ちびっ子劇場」などというタイトルは無理だろうなと思う。(笑)                            それにしてもなんか映像が次第にトランス状態になってくる。見ていると少しずつ思考能力が奪われていく。やばい。 「庵野死ね。」さすがに監督はTV版のラストの評価について相当気にしていたようだ。TV版最終回もさることながらTV放映直後のニュータイプのインタヴューでTVラストの解説(開き直り?)を行い、ファンの怒りのダミープラグを発動してしまった経緯があったので、今回は明らかにそのファン層に対する彼なりの回答を行った感じがする。 ラストのシンジの首閉めは意外だった。なんかその後、「つづく」という文字が出そうでワクワクした。(本当にそんな予感がした。毎回TVのラストもなんというか独特な終わり方をしていたからね。)            綾波の生首ちょっと時期が早かったら、某事件によりカットだろうね。でも もし見る前に崩れかかった綾波の巨大な生首を見せられた時、これガラスとのシーンといわれたら正直言ってその間のストーリは全く想像がつかない。(ふつうラストシーンを見れば何となく話はこうなるという自分なりの想像は働くが。) 前々からの予想通り「発動編」を庵野監督風にアレンジしたラストだったがそれにしても異様なラストであった。(シンジとアスカがアダムとイヴとして生きていくとは何とも異様なラストだね。ほかの人類は生命のスープになっ ちゃった。)    今回の映画はすべての謎ときははしていないが最低のノルマは果たしたという感じ。完全な謎解きができていないとお怒りの観客の意見が週間新潮(?)に載っていたが、まぁ堅いこと言うなというのが自分の意見。確かにすべて謎解きしてもらえば確かにいいかもしれないが、EVAの面白いところはその謎解きであって、ある程度ブラックボックスがないとネタとしては面白くない。 あとは自分の頭で考え、想像すべし。 さて今回見て気になったのがビデオ版はどうするのかという点。現在21話で止まっているが今後のリリースについてラスト近辺では、この映画をそのまま25話および26話として使うのか、TV版をそのまま使うのか、新たに書き下ろすか興味は尽きない。当初ビデオ版の最終回はTV版とは別に書き下ろすといわれていたので少なくともTV版と同じではなさそうだ。たぶん映画版 +劇場版カットシーン追加(いわゆる完全版)を1話1巻でリリースかなと想像する。 新たに書き下ろすのならできることなら出番のなかったジャージ君をラストに出してほしい。  →THE END OF SUMMER VACATIONにつづく                                   以上